日本には現在、3社の携帯キャリアがあります。今回は3キャリアの携帯電話が使う電波の特性の違いから、エリア設計の思想を分析していきたいと思います。
※楽天も今後携帯業界に参入しますが、不確定要素が多いので今回は取り上げません。
各キャリアの電波
ドコモ
まずはドコモ。なんといってもエリアが非常に充実しており、実効速度で他社を圧倒しています。
3Gの時は開発を先走りすぎて世界中の会社やメーカーが追いつかず、なかなか普及が進まない状況でしたが、4Gや5Gでは共同開発としたことで、無線ネットワークを構成する機器をほぼ全て自社開発できました。
これにより新しい機能をネットワーク側に取り込みたいとき、機器を自社開発しているドコモであれば自由に実装することが出来ます(古くは緊急地震速報/エリアメールの対応で強さを示しました。)
またドコモの場合、人が住んでないような採算の取れない場所であっても鉄塔を建設しています。これは国道などの重要な道路であれば、採算度外視でカバーするという設計思想にあります。
※左からドコモ、au、ソフトバンク。ドコモだけが国道278号線をカバーしている事がわかる
山間部や、人の住んでいない場所に行かれることが多い方は、ドコモを選ぶべきです!
au
屋内への電波浸透を選ぶならauが最適です。
古くから800MHzという低い電波周波数帯でエリア設計を行っており、この周波数帯に最適なノウハウを有しています。
電波の周波数が高いと"光"に近い特性を持ち、低いと"音"に近い特性を持ちます。
※電波の周波数帯が低いほど、浸透性が高いイメージ
光のほうが音より情報量を多く乗せることができますが、壁がある屋内へ電波が弱くなってしまいます。
ですので商業施設やビルで使うことが多い方は、auを選ぶべきでしょう!
ソフトバンク
ソフトバンクの強みは、東京や大阪などの大都市圏で発揮されるでしょう。
ウィルコムより受け継いだマイクロセル(数
(ウィルコム救済時に16万局という膨大なロケーションを手に入れました。)
またエリアの広さについても、2012年の900MHz帯を取得した頃から繋がらないという声は聞かれなくなりました。
そして2016年より、世界初の商業化に成功した「Massive MIMO」技術により、既存の鉄塔のアンテナを2~8本→128本まで増やしました。この技術は特にトラフィックが集中するエリアに使われています。
東京などの花火大会では、非常に多くの人が集まるので携帯が繋がりにくい状況になります。しかし鉄塔は既に過密状況であり、新規に基地局を建てるのは大変厳しい状況です。
そんな中で、ソフトバンクはこうした新しい技術の導入により、快適なネットワークを提供しているのが特徴です!
まとめ
よって各キャリアの強みをまとめました。
・人の住んでいない道や山などに行くときの電波を重視するならドコモ
・屋内でもバッチリ電波を掴みたいならKDDI
・混雑するイベントによく行く人はソフトバンク
今後、楽天が参入した後、この縮図はどう変わっていくのでしょうか?
参考記事