株を保有すると、会社によっては株主還元として、自社株買いや配当を行ってくれることがありますよね。
今回は自社株買い・配当のメリット・デメリットを比較してみたいと思います!
目次
自社株買い
自社株買いとは市場に出回っている自社の株式を、その会社が買い戻すことです。
メリット
①市場に出回っている株式が減少するので、株主が保有する株の価値が上昇する。
企業が自社株買いした分、株価が上昇すると考えられます!
②発表自体に好感されて株を買われる
ソフトバンクGの6000億円自社株買い、2月に45.7%取得
ソフトバンクグループは、6000億円を上限に実施している自社株買いのうち、2月に全体の45.7%に当たる約2740億円分を取得した。
取得株数は、約2650万株で上限の1億1200万株に対して23.7%の進捗率。関東財務局に15日報告した。
期間は2月7日から2020年1月31日までで、規模は過去最大。ソフトバンクGの株価は2月6日の自社株買い発表翌日に急騰、15日終値は発表前と比較すると28%高となっている。
自社株買いの発表後、株が買われてストップ高になる銘柄が多いです!
デメリット
①せっかく自社株買いしても再度売却される可能性がある!
自社株買いした株は、その後必ず消却しなくてはいけない決まりがないので、再度市場に売却される可能性もあります。
自社株買いした株は、以下によって最終的な処理がなされます。
- 処分・・・企業の自己株式を市場や他社に売却すること(株式交換・ストックオプションを含む)
- 消却・・・自己株式を消し去ること
そもそも、自社株買いの発表時に「買い取った株式は消却します!」と発表しても、それを必ず守る決まりもありません!
(だいたい"消却する方針です"と発表してますよね)
ですので再度売却された際には、株価が大幅に下落することも考えられます。
筆者としては、自己資本やフリーキャッシュフローに余裕がある企業の場合は消却されると考えています。
(前回のソフトバンクの場合は、国内事業を上場させて2兆円の資金があったから自社株買いできた)
しかし、資金がない企業の自社株買いは、単に一過性のパフォーマンスとなるだけの場合もあります!
②自己株式を処分した場合、当期純利益が減少する!
自己株式を公募形式で処分することになると、1株あたりの当期純利益が減少します!
それに伴い、株価の減少を招く恐れもあります!
「自社株買い」その後の落とし穴~自己株式の「処分」で株価が下落?
A社は今年になり、自己株式として保有している20万株を公募形式により処分することとしました。
自己株式処分前:発行済株式数80万株
1株当たり当期純利益:1億円÷80万株=125円
自己株式処分後:発行済株式数100万株
1株当たり当期純利益:1億円÷100万株=100円
このように、自己株式の処分によって1株当たり当期純利益が125円から100円に減少し、PERも上昇しますので、株価下落の恐れが高まります。
逆に消却であれば、1株当りの当期純利益に変動はないため、株価下落の要因とはなりません!
配当
株主に年に数回、企業の利益を分配するのが「配当」です。
メリット
①配当は毎年ほぼ確実である!
自社株買いの場合、あくまでも「枠」であって、来年も同じ規模の自社株買いをする決まりはありません。
(業績好調であっても、自社株買いをしない事で企業のイメージダウンにはなりません。)
しかし一度配当を出すと、毎年継続して配当を出さない企業はイメージダウンとなるので、よっぽどのことが無い限りは配当を続けます!
投資家からの配当圧力がかかる以上、配当はもはや義務となっています!
②減配もしにくい!
減配もやはり企業のイメージダウンにつながるので、よっぽど業績が傾かない限りは考えづらいです。
デメリット
①配当課税が20%かかる!
強制的に配当が振り込まれてしまいますので、その都度20%(所得税と住民税)の課税を徴収されてしまいます!
ですので税金を先延ばしにしたい場合には不利となってしまいます!
②複利効果が働きにくい
配当を再投資する戦略であっても、再投資するときは税引き後の金額で投資する事になります。
ですので複利効果が働きにくくなります!
NISA口座を利用している場合、配当金に関する税金が0円になります。
筆者の意見
自社株買いと配当のメリットとデメリットでした!
筆者としては、投資家としては配当のほうが良いと思っています!
・経営者視点で考えると、自社株買いは将来の継続した株主還元を求められるものではない。
→つまり経営者には有利な制度と言えるのではないか(だからバフェットも自社株買いを推奨する)
・配当は一度決めたらなかなかやめにくい
→継続が期待できるので、20%の課税を考慮しても投資家にとっては良いことではないか
と考えています!
(あくまでも投資の方針によって考え方が変わると思います!)
よろしければ、以下の記事も読んでいただけると幸いです!
参考ブログ